読了(ピンカー他『人類は絶滅を…』、伊藤『どうなる世界経済』)

人類は絶滅を逃れられるのか―――知の最前線が解き明かす「明日の世界」

人類は絶滅を逃れられるのか―――知の最前線が解き明かす「明日の世界」

スティーブン・ピンカー他『人類は絶滅を逃れられるのか』を読了。

地球楽観論vs.地球悲観論のディベートを収録したもの。私は、どちらかと言うと地球楽観論なのだが、楽観論が見落としがちなことを地球悲観論が問うていることも、理解できる。なぜ人々は楽観論よりも悲観論に目を向けがちになるのかということは、大いに参考になる。なにより簡単に読めるのがいい。


次いで、伊藤元重『どうなる世界経済』を読了。サブタイトルに入門国際経済学とあるとおり、現実の日本の対外経済関係の状況を説明するうえで、国際経済学の基本的な考え方を導入するという形になっていて、学部学生にオススメである。

個人的には、グラビティ・モデルと比較優位論と比較しながら説明し、また流通構造から貿易を論じている第4章と、新興国ブームを長期のスパンで批判的に見ている第5章を特に興味深く読んだ。なかでもグラビティ・モデルは、今後、もっと多くの教科書で説明されていくべきだと思われる。