ゴミ、ゴミ、ゴミ

やはり、1年前から備忘録として書いておくべきだと思っていたのだが、日本という国は2017年の後半頃から急速に汚くなってきた。汚いというのは、「ゴミの散乱がすごい」、ということである。自宅近くでも職場近くでも、道路という道路に、毎日ゴミが散乱している。


しかも、このゴミの散乱というものは、少し前まではぜんぜん見られなかったのに、2017年後半頃から急速に散乱するようになってきてしまっているのである。


コンビニのおにぎりの包みセロファン、コンビニのサンドウィッチの包みセロファン、菓子パンのセロファン、ファミマのチキンの袋、各種お菓子の袋、飴の包みセロファン、コンビニおよびスターバックスマクドナルド等の持ち帰りコーヒーの容器・蓋・ストロー(マクドナルド以外は、容器・蓋・ストローの全てがプラスチック)、スーパーの惣菜のプラスチック容器、カップラーメンの容器、コレラを食べるための箸、弁当のガラそのもの、ペットボトル、ポケットティッシュならびにそれが入った袋、携帯ウェットティッシュ、ペットボトル、空き缶、空き瓶、タバコの箱、レシートなどは、一年中。
季節性のものとしては、マスク(秋〜春)、折りたたみ傘を入れる袋(6月〜8月上旬ぐらい)、ハンドタオル(夏)などがある。


アフリカではルワンダが、いち早くビニール袋の持ち込みが禁止されている(空港ではスーツケースの中までチェックされ、あった場合は廃棄させられる)。これに習う形で、ビニール袋の持ち込みを禁止する国がアフリカではかなり増えている。下水・排水が未整備の途上国では、捨てられたビニール袋が排水路や排水溝にあると、排水が滞って街中が水びたしになったまま水が引かないなどの実害が出ているからである。また、プラゴミ(容器、袋など)に水がたまり、そこからボウフラがわいて感染症が発生しやすくなる、という問題もある。

東南アジアから来た人は、日本を「キレイだ」と言う(言っていた)。それは、彼らの国ではゴミの散乱がすごいからである。なのだが、私の考えでは、最近の日本は、東南アジア化している。すなわち、東南アジアのように町の道路脇にゴミが散乱することが増えているのである。日本の「東南アジア化」である。


原因はなんだろうか。複合的で、一つではない。そもそも、人類のプラスチック使用量は過去35年で6倍に激増している(OECDによる)。モラルの低い外国人が増えていることも、一因として否定できない気はする(外国人の名前の記された金融機関の残高レシートなどからわかる)。しかし、最大の原因は、スマホではないかと思っている。


スマホが一台あれば、いつでも、どこでも、何でもできる。そのため、「『いつでも、どこでも、何をしても良い』と思っていないと、こんなことはできないよね」と言わざるを得ないような、驚くべき行動をする人が増えていて、しかもそれを、ほとんど誰も問題だと思っていない。


たとえば、少し前まで、スーパーに入る際に、飲食物を持ち込んで手に入るのはありえないことだったが、いまではプラ容器入りのコーヒーを手にしてスーパーに入ってくる人間は珍しくない(スーパー内で携帯で喋っている人は、もっと多い。「ここはオマエの家ではなく公共の場だ」と言ってやりたいし、実際に言う時もある)。スーツを着た中年でも、外で立ったまま、または歩きながらおにぎりにかぶりついている人がけっこういる。このような中年は、男性が圧倒的に多いが、若者になると、もはや男女関係ない、という感じである。しかし、中年女性でも、なかには大規模ターミナル駅の前でむしゃむしゃやっている人は、いるのである。この場合、おにぎりではなく、お菓子とかが多い。そして、いずれにしても、こうした立ち食いによるゴミは、その辺りにポイ、である(ビニール袋に入れたままポイのこともある)。


人新世においては、もはや人間は人間であることをやめて、信号に反応する機械(マシン)になっている。腹が減ったという信号が入れば、欲望を満たすために、コンビニかスーパーで食べ物を買って、ところ構わず食べ、そうして出たゴミもところ構わずはポイとすてる、のである。なぜポイになるかというと、とにかくスマホをいじりたいからである。スマホをいじるためには、手元にゴミがあると困る。自分が出したゴミを持ち歩き、しかるべきところに捨てるということがおっくうになるほど、とにかくスマホをいじりたくなっているようなのである。スマホいりじのためには、ゴミはその辺に捨てるのもまったく厭わない、ということのようである。まったく困ったものである。

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https://www.ana.co.jp/ja/es/serviceinfo/international/bmp/

ANA国際線のプレミアム・エコノミーへの有料アップグレードのオークション「Bid My Price」の対象外路線は、対象路線が「アメリカ・ヨーロッパ・オーストラリア・シンガポール・マレーシア・タイ路線」とのことから、バンクーバーメキシコシティ、デリー、ムンバイ、ジャカルタ路線のみだと思われる。

雑誌『選択』の巻頭の特別リポートについて

雑誌『選択』の巻頭の特別リポートだが、面白くない。ぜんぜん面白くない。

何しろ説得力がない。あまりに面白くなく説得力がないので、もう随分前から、この巻頭のリポートを読むのは一番最後にしている。だが、読んでもたいていは「読んだだけ、時間の無駄だった」という脱力感に襲われる。

なので、このコーナーはもう読まないことにしようかと思う。湯浅次郎編集発行人には、しっかりしてもらいたい、と強く願う次第である。

ちなみに、この匿名記事を毎月書いているのは、おそらく日高義樹古森義久ではないか、というのが私の推測である。

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