読了

戦争請負会社

戦争請負会社

学会賞を受賞しただけあって、とてもよく調べられている。特に民間軍事請負企業を3種類に類型化して議論を進めている点は大きな特色で、うまく成功しているように思う。また、かつての傭兵と民間軍事請負企業との違いや、民間軍事請負企業が台頭してきた原因の解明なども、役に立った。

難点を言えば、まず分量が多いことだ。邦訳では500ぺージ近くある。難しい書物ではないとはいえ、気軽に読める分量ではない(読破に丸3日かかった)。特に第三部の議論が、いささか間延びしているようにも思えることを考えると、もう少し圧縮できたのではないかという気がする。もう一つは、訳文のこなれていない箇所や、意味の取りにくい箇所が、ところどころで散見されることだ。