水月昭道氏の不正確さとそれに加担する読売新聞

「末は博士も就職難」、修了者の25%が「浪人」
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080726-OYT1T00385.htm?from=main1

高学歴ワーキングプア」(光文社新書)を著した水月(みづき)昭道さん(41)は「博士号を取っても、大学教員になれるのは数十人に一人」と語る。


この数字は多分に疑わしい。以前にも記したように、平成19年度文部科学省「学校基本調査」データに基づいて、大学教員になれる確率を計算すると、全分野合算で7.24人に一人、社会科学系に限れば4.76人に一人である。ただしここには、博士の学位を取得せずに就職できた者も含まれているから、常識的に考えれば、博士学位持ちの就職率はもう少し高いと推察される。


水月昭道氏は九州大学から博士(人間環境学)の学位を授与されている(甲第7117号、平成16年11月30日)が、この程度の事実確認さえしないで、デタラメな「事実」を捏造し続けているのは良くないことだ。そして「水月氏の言明を鵜呑みにして1000万人読者に不正確な情報を垂れ流す読売新聞社会部の竹井陽平記者も不勉強なこと極まりない」と言わねばならない。


水月氏の書くものの不正確さについては以前にも批判したことがあるが、ここに再度記しておきたい。