一次産品「問題」の論点

一次産品「問題」の論点

(1)交易条件悪化(シンガー=プレビッシュ命題)。
(2)価格乱高下による租税収入の不安定化。中期予算見通しの不透明化。歳出の不安定化にもつながる。
(3)実質価格の低落による租税収入そのものの減少。
(4)低付加価値。
(5)資源の呪い(resource curse:天然資源の存在は本来、豊かさの象徴であるはずだが、現実には逆に、貧困、暴力、内戦、極度の経済格差などが齎されてしまうというパラドックス。とくに石油やレアメタルなどの鉱産資源において顕著)。



IMFの輸出変動所得補償融資制度:国際収支の悪化に対処するためのもの。
ロメ協定は、EECの輸出所得安定化制度(STABEX)を内包していたが、2000年2月末に失効、コトヌー協定が2000年6月に結ばれたが、ロメ協定の目玉であったSTABEXは廃止。一次産品価格不安定性へのアフリカ諸国の対応策がなくなった。
STABEXについて:
大隈宏[1983]「EEC輸出所得安定化制度:STABEXの背景・実績・課題」『成城法学』13:313-374
http://www.seijo-law.jp/faculty/public/info/pdf_slr/SLR-013-313.pdf