購入本

読了(5月)

誤植(誤字)の多い本である。

また、オミクロン株前に執筆されているので当然だが、オミクロン株以後のコロナは、デルタまでのコロナとはかなり別物であるという認識が見られない。つまり、基本的にはコロナ警戒論・コロナ恐怖論である。

N95マスク着用を推奨している。一般人にそこまで必要か。

当然ながら、マスク着用の問題点については記述がない。

全体として、すでに言われていることの記述が多く、私には新規性はなかった。

 

購入本

読了

ベーシックインカムやこども保険など、年金以外の話が多い。年金の話についても、2つの所得代替率を区別していないのは大きな問題である。

すなわち、政府の年金に関する見通し等で言われる、①現役世代の平均賃金に対する公的年金の受取額の水準という意味での所得代替率を紹介せず、②現役時代の収入に比べて公的年金がどのぐらい貰えるかという意味での所得代替率しか紹介していないという欠点がある。

全体として、年金論というよりも、年金をめぐる言説紹介論になってしまっている。間違った言説を信じてしまっている人に対する解毒剤としての意義はあるが、年金の解説としてはバランスが良いわけではなく、年金についての入門的な書とは言いづらい。

購入本

抜き書き

審議会の形骸化が指摘されて久しい。私は約25年間、環境関連の国の審議会をウォッチしているが、こんなにひどい状況になったのは、この5、6年ぐらいのことである。以前は、委員たちがもう少し熱い意見を闘わせていた。今の審議会は、官僚の”あやつり人形”たちが、振り付け通りに演技する舞台のようである。

中央環境審議会の元会長、森島昭夫名古屋大学名誉教授はこう警鐘を鳴らす。「私が会長のときには、公平な議論をしようと、環境省には一切相談せず、自分の判断で審議を進めた。審議会は官僚の書いた筋書き通りに決める場ではないから。利害関係者が議論し、少しでも溝を埋める努力をし、合意点を見い出していくのが審議会の役割だ。でも、最近は、委員が環境省を訪ね、会の進行を官僚と相談していると聞く。こんなことがあってはならない。

 

杉本裕明『ルポにっぽんのごみ』岩波書店、2015年、p.81より。