イノベーションへの解 利益ある成長に向けて (Harvard business school press)
- 作者: クレイトン・クリステンセン,マイケル・レイナー,玉田俊平太,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2003/12/13
- メディア: 単行本
- 購入: 16人 クリック: 168回
- この商品を含むブログ (101件) を見る
- 作者: 佐藤誠,安藤次男
- 出版社/メーカー: 東信堂
- 発売日: 2004/12
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (1件) を見る
『週刊東洋経済』12月11日号が、デジタル家電ブーム失速の特集を組んでいるほか、『VOICE』1月号でも、産業記者の覆面座談会として、やはりこの問題を取り上げている。デジタル家電は、つい半年前までは、各ビジネス誌・論壇誌で「日本経済復活の切り札」扱いされていたのに、半年たつと、論調ががらっと変わってしまっている。「『売らんかな』の誌面構成」と見なせないこともないが、実際に、変調を来たしているのだから仕方がない。
両誌ともに、まださらっと見た程度だが、「失速」といっても、製品や企業毎に要因がかなり異なっていて、デジタル家電全てを一口に説明することはできないようだ。また、薄型テレビを除いて、外国メーカーの急速な追い上げは、変調の主たる要因ではない。むしろ企業戦略のミスと過剰供給が、失速の主因のようだ。
ちなみに現時点では、デジタル家電においては、クリステンセン・テーゼ(既存大企業は、技術・性能向上にのめりこんでハイ・エンドに注力するあまり、壊滅的技術で参入してきた後発企業によってローエンドのマス・マーケットを攻め込まれる)はまだ見られない。しかし今後、この分野でも、クリステンセン・テーゼが現実のものとなる可能性はありそうだ。その程度は、おそらく、このデジタル家電のアーキテクチャが、どこまで「オープン・モジュール型」の傾向を強めていくかに懸かっていると思われる。池田信夫氏の以下の論考も参照。
http://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/03120002.html