読了/門倉貴史『ワーキング・プア』

ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る (宝島社新書)

ワーキングプア いくら働いても報われない時代が来る (宝島社新書)

データが結構充実しているし、文章もわかりやすい。大学1年生向けの基礎演習的な授業にも使えるかもしれない。随所に挿入されたドキュメントも、ワーキング・プアのナマの声として有用である。ただし、なかには、ワーキング・プアとは言いがたい人の声も収められてるのはご愛嬌。それと、ニートとフリーターを同列に扱っていて、ニートがすごく増加しているという論調になっているが(第4章)、本田他『「ニート」って言うな!』と照らし合わせれば、これはかなり問題あり。そうは言っても、この分野の入門書としての意義が減ずるわけではない。