中国の自動車産業

中国の自動車産業をめぐるシンポジウムに出席(拝聴)。中国も自動車も専門でもなんでもないが、国際生産ネットワークの現状を知るためには、中国や自動車の動向を視野に入れることは不可欠だろう。


自動車生産は「擦り合わせ型」の典型例である、というのがこれまでの通説だが(たとえば、藤本隆宏『能力構築競争』中央公論新社isbn:4121017005)、シンポでの報告を聞いた限りでは、どうも中国では自動車生産も「組み合わせ型」の傾向を示し始めているようだ。というのも、自動車部品が汎用化の傾向を強めているのである。さらに、あたかもパソコンのCPUを選ぶかのように、エンジンをいくつかの選択肢から選ぶことが可能になっている車もあるという。そういえば、もともと擦り合わせ型だったオートバイも、中国に持ち込まれるとアーキテクチャが変わって組み合わせ型に近くなったのだった。恐るべし中国。


もっともこれを「モジュール化」と呼んでいいのかどうかは、疑問らしい。というのは、アセンブリメーカーがアーキテクトたらんとしたわけではないからだ。言い換えれば、意図せざるかたちで、つまり結果論として「組み合わせ型」化しているに過ぎず、最初から組み合わせ型になることをアセンブラーが狙っていたわけではないから、ということだそうだ。


http://www.econ.kyoto-u.ac.jp/%7Eshioji/resource.htm


なお来年2月には、中国の電機産業をテーマとしたシンポジウムがあるとのこと。なるべく都合をつけて参加してみたい。