月刊総合誌の終わり

月刊総合誌が相次ぎ休刊の運びとなっている。08年10月号で休刊の『論座』、09年1月号で休刊の『現代』、そして09年6月号で休刊予定の『諸君!』である。これで残る主要月刊総合誌は、『正論』『文藝春秋』『VOICE』『中央公論』『世界』の5誌となった(自分の偏見では、『新潮45』と『潮』は「主要」ではない)。

月刊総合誌がここまで追い込まれた理由もはっきりしている。第一に、雑誌化する新書の激増や、ブログの登場など、競合するメディアが増えていたこと、第二に、月刊誌という発行サイクルが中途半端なものになっていたことである。実際、『大航海』『アステイオン』『環』という季刊の論壇誌は健闘しているし、雑誌ではないが、『RATIO』『at』『思想地図』など、近年になって参入してきた雑誌風の季刊書籍もある。

こうした状況をふまえて、自分はかつて、ある雑誌のコラムで「中期的には、月刊総合誌が10誌程度乱立するという状況が終わりを迎える可能性があろう」と書いた。これは2005年のことであるから、当時の予感はほぼ的中したのである。

論壇が終わったとは思わなくてもよい。そうではなくて、論壇の勢力地図が変わったのである。論壇ウォッチャーは、これからは、ブログや雑誌化する新書などよりも、むしろ季刊の総合雑誌や、雑誌風の季刊書籍に注目すべきなのではないか、というのが自分の考えである。