つまらない『日本経済新聞』

最近、日経新聞を読む気力が急速に薄れている。理由は簡単である。書かれている記事の少なからぬものが、ある種パターン化してしまっており、一つ一つきちんと読まなくても、冒頭をちょっと読んだだけで、内容の推測がついてしまうからである。日経の記事は、次のようなパターンであることが多い。


(1)韓国・中国は急速にキャッチアップしている。このままだと日本はジリ貧であり、日本経済には改革が必要だ。

(2)アメリカと仲良くしないとダメ。中国の膨張主義に警戒せよ。

(3)政治の怠慢のなかで、企業・経営者・ビジネスマンは頑張っている。政治よ、しっかりせよ。


だいたいこの3つが基本パターンである。特に1面左上、3面左上のような、「社としての主張と客観的な事実の紹介が入り混じった特集記事」において、この論調のパターン化の傾向が著しい。また、日曜2面の署名記事「風見鶏」でも同様である。私などは最初の数文を読んだだけで、「ああ、今日の『風見鶏』は、また伊奈久喜だな」と思ってしまう。彼の記事の論調は、ある種パターン化してしまっているので、最初の数文を読んだだけで、彼が書いたということがわかってしまうのである。でも一応念のために、末尾の署名を見てみるが、案の定、伊奈久喜である。いまやもう、彼の記事を毎回読むたびに、ゲンナリしてしまうようになった。

私の知人はかつて、『日本経済新聞』を、「あれは『日本経営者新聞』だから」と述べていた。100%正しい。わたしは、経済にまつわる記事が豊富なので読んでいるけれど、日経の論調にはさっぱり同意できない事が多い。