「電機業界再編予想」

今ごろになってこんなことを言っているのか、という気がするけれども。
「電機業界再編予想:アジア勢の日本買い進み、11社体制が崩れる年に」
http://nikkeibp.jp/wcs/leaf/CID/onair/jp/biz/419036


さて、「大手11社体制」というのはあまり目にしない表現だ。最もなじみのあるカテゴリーは、電機の場合「大手10社体制」である。すなわち松下、シャープ、三洋、日立、東芝、三菱、パイオニアソニーNEC富士通、である。「大手11社体制」の場合、これにビクターが加わるようだ。この他に「大手12社体制」という表現もあって、ややこしい。12社の場合は、これに沖電気が加わる。


これは昨年来から折に触れて回りの知人とも議論してきたことだが、10社にしろ11社にしろ12社にしろ、こういう体制はもう持たないと思う。90年代から00年代にかけて、銀行や商社は大きく再編・集約されていった。石油化学や鉄鋼も同様である。だいたいどの業界も、大手企業数がかつての半分程度に減っている。ところが電機だけが減っていない。これは、電機が成熟産業化したのが比較的最近だからだ。しかしこれから2010年にかけて、電機企業も3分の2から半分近くに再編・集約されていくのではないかと思う。理由は簡単で、現状では資本が目減りする一方だからである。資本の目減りを避けようと思えば、①海外に転じる、②異業種に転じる、が選択肢となるけれども、①は既にかなり達成されており、しかも東アジアに有力メーカーが勃興している現状では選択肢にならない。②はコングロマリット化であるが、電機企業のケイパビリティからしてもこの道が達成されるとは思えない。よって残る道は、再編・集約であるが、そのとき、海外メーカーによる三角合併が検出される可能性がある。