政治家の生命力

中川昭一財務相が死亡 東京・世田谷の自宅、目立った外傷なし
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20091004AT1G0400204102009.html


腰痛で鎮痛剤を常用しながら、酒におぼれて選挙にも落ち、意気消沈して失意のまま亡くなった、というところでしょうか。


こういう東大卒・二世政治家の中川氏に比べると、かつて同じ選挙区でライバルだった拓殖大卒・たたき上げの鈴木宗男という人は、つくづく生命力のある人だと思う。何しろ彼は、酒は付き合い程度、日頃からスポーツジムに通い、ランニングを欠かさず、二度の胃癌手術を受けてなおフルマラソンに出場しては完走し、バッシングを受けた挙句に逮捕されてもへこたれず、二大政党から出馬できない中で地域政党を立ち上げて比例単独で当選してくるのだから、その政治的・肉体的な生命力たるや、只者ではない。化け物だ。実際、彼の日記を見れば、その活動の活発さに驚かされる。何しろ一日で、東京→札幌→東京→北九州→東京と移動している日があるぐらいだ。北海道と九州の両方への日帰りを一日でやってのけるって、普通じゃない。


そもそも地域政党と言えば聞こえは良いが、新党大地は一人政党なので、政党助成金も企業・団体献金も受け取る資格がない。つまり彼は、個人献金政治資金パーティー収入で政治活動を行なわざるを得ない。平沼赳夫中村喜四郎のように世襲政治家でも財産があるわけでもないのに、政党助成金を受け取らずに政治活動を行ない、地域政党比例代表として衆議院議員に当選するというという芸当ができるのは、鈴木氏ぐらいではないか。映像で見る限りわたしにはどうしても好きになれないタイプの政治家だが、彼が少なからぬ北海道人に愛されているのは、間違いない。多くの世襲政治家に欠けているのは、こうしたタフネス、行動力、愛嬌である。