納豆・ES細胞・計量経済学

発掘!あるある大事典2」での納豆にダイエット効果云々という番組内容は捏造だったことが発覚した。みんな裏切られたとか言っているが*1、そんなものを信じるほうがおかしい。そもそも日常的に納豆を食べていればそんなことがありえないことぐらいわかるだろうに、なんで信じてしまうんだろう。


それにしても最近、データの捏造が多いような気がする。韓国ではES細胞の研究者が論文を捏造していたし、日本でも阪大や東大などで、論文に示されたデータが捏造だったという事件が発覚している。阪大では関係者が自殺してしまったし、東大でも多比良教授と川崎助手が懲戒解雇されている。これらは、残念なことに、おそらく氷山の一角なのだろう。


ところで、こうしたデータの捏造疑惑は、巨額の研究費がつぎ込まれている理科系の学問において、多く発生しているように思われるが、はたして、経済学においてこういうデータの捏造というのは存在しないのだろうか。自分はエコノメトリックスに通じてないのでよくわからないのだが、自分の知っているある中国人女子留学生は、実際にはアンケート調査など実施していないにもかかわらず、「中国でアンケートを実施した」と偽って「マイクロデータ」をでっち上げ、それを計量分析にかけて修士「論文」を作成していた。この留学生の指導教官は、彼女の修士論文を退けたのだが、それは「僕のところで計量分析をやっても修士号は出さない」という理由に基づくものであって、その内容がでっち上げだったからではない。中国は、日本とは比べ物にならないほど、学位の有無が収入を大きく左右する社会であり(この点、アメリカに似ている)、また拝金社会でもある。だから、それゆえに、この国からの留学生のなかには、なかばインチキをやることで、高次の学位を取得することに躍起になっている者がいることは歴然たる事実である。果たしてこういう者は日本人にはいないのか。あるいは経済学全体ではどうなっているのか。「知的熟練論は実際には存在しない資料の創作の上に成り立っている」*2小池和男(法政大)を批判するのは野村正實(東北大)だが、実際のところ、小池ならびにその擁護派と、小池批判派のどちらが正しいのか、門外漢の自分にはさっぱりわからない*3。ことこの論争に限らず、経済学における資料やデータのでっち上げに関して、何か知っている人がいたら、ぜひ教えて欲しい。秘密は守ります。

*1:http://www.asahi.com/life/update/0120/016.html

*2:http://www.econ.tohoku.ac.jp/~nomura/nachlabstudy.html

*3:これに関連して、小池派の一員である某研究者が、その穏やかな人格に似合わないほど野村を罵倒していたのを、自分は見たことがあり、これは何か妙に記憶に残っている。