メモ(抜き書き)

「古典派の貿易理論は、奴隷船や銀を積んだ大商船の歴史的現実から完全に乖離している。国際的分業は、相対的費用の法則の作用に帰結したものではない。世界貿易に参加している諸民族が対等なパートナーであったことなどないからである。むしろ、『従属の連鎖』を生み出し、この星に先進地域と低開発地域への分割を招いたのは、数世紀にわたる不等価交換であった」(Day 1999:114、ただし傍点は引用者)。つまり「ヨーロッパの奇跡を、よりおおくの人々が住む世界のその他の地域の軍事的・経済的支配から切り離すことはできない」(Reid 1999:1)のである。

エリック・ミラン『資本主義の起源と「西洋の勃興」』藤原書店、20011年、p.83