「バブル」と「逆バブル」

昨年の1月8日のエントリーで、2005年の日経平均を以下のように予想していた。

日経平均株価の予想:1月下旬〜2月上旬にいったん調整、その後は上昇を続けた後、早ければ3月、遅ければGW前後に大きめの調整になる、と予想。その後はわからん。

まずこの予想の検証をしてみよう(終わり値ベース)。1月7日に11,433円をつけたあと、軽く調整し1月25日には11,276円まで下落。その後3月9日に11,966円と上昇したものの、ここからやや大きめの調整となり、5月17日には10,825円まで下落。その後はほぼ一本調子に上げ、16000円台を突破して大納会となった。

というわけで、少なくとも年前半については、「年初に描いたシナリオどおりに推移した」ことがわかる。まぐれだが、予想としては「優」だろう。そこで、調子にのって今年の予想をしたいのだが、これが非常に難しいので、シナリオを2つ描いてみたい。

〈シナリオ1〉3月頃まで上昇、その後は、もみ合い(ボックス)相場が半年程度続く。年末にかけて再度上昇。TOPIX上限2000-下限1450。

〈シナリオ2〉早ければ1月、遅くとも3月には調整に入る。年央高のあと、ボックスまたはじり下げ。TOPIX上限は1750-下限1200。


マーケットというものは、およそ株式にしろ為替にしろ、一定のトレンドが発生するとオーバーシュートが起こるのが常であり、常識では動かない。1989年12月30日の38915円も異常高だが、2003年4月28日の7603円も異常安である*1。歴史は前者を通常「バブル」と称するが、後者は「逆バブル」であり、向きが違うだけで本質的にはまったく同じ「オーバーシュート」である。長期で見れば、再び上方へのオーバーシュートが起こるだろう。それを後世の人間が、「バブル」と呼ぶかどうかは、わからないが。

*1:1989年当時は、「日経平均は5万円は鉄板(固い)」と言われていた。逆に2003年には、「日経平均は5000円割れもありうる」などと言われていた。『日本経済新聞』は、毎年年初に、財界を代表する経営者やエコノミストら数十人に、「今年の日経平均の予想」をさせているが、1990年正月の予想を見ると、4万円、5万円などと予想している者が非常に多かった。いまとなっては、笑い話である。誰が頓珍漢な予想をしていたかは、当時の新聞を見て欲しい。